2020年2月13日木曜日

『野村ノート』を読む 第1章

こんにちは、こんばんわ、KoR89こと畠山薫です。
野村克也さんがお亡くなりになり、僕としても野村さんから学んだことも多いと感じ、この度代表作の『野村ノート』を僕がどう読んだのか、どう生活や仕事に役立てているのか、記録したい。



『野村ノート』を読む 第1章


野村さんの考え方の優れたところ、2つ

野村さんの考え方の優れたところは、大きく2つあると思っている。まず、意味のある目標を印象的な言葉で伝えるところ、次に事象を取り扱える程度に分解することだ。例えば、どう選手を長期的に成長させるのか説くところでは次のように言っている。
 そこで大事になるのは、人間はみな人生を生き抜くという使命をもって存在しているということを選手に説き、その使命感を選手ひとりひとりに認識させることである。だからこそいやが応にも、人生を教えなくてはならないのだ
野村さんの掲げる目標は大きい。立派な野球選手になることは、人生を生き抜くことだと説く。ただ、もちろんこのように大きな目標を言われるだけでは、どうすれば良いのか選手としても途方にくれてしまう。そこで、野村さんは補助線を加える。
人生という2文字から私は次の4つの言葉を連想する。
 「人として生まれる」(運命)
「人として生きる」(責任と使命)
「人を生かす」(仕事、チーム力)
「人を生む」(繁栄、育成、継続)
(中略)
 さらにチームをつくりあげるうえでは2つ目の「人として生きる」を選手に徹底して教え込まなくてはいけない。
ここまで整理してもらえると、選手であっても自分がしないといけないことが薄っすらと見えてくる。簡単に言えば、自分が与えたられた役割を精一杯果たすことに集中すべきだということだ。

なぜ優れているのか

僕は少しへそ曲がりだから、厳密に考えた時に野村さんの言っているように、人生という言葉から連想される4つの言葉で、人生のすべてをMECEに表すことが出来ているかと問うと、そうではないのではないかと正直思う。実際に、これから紹介する野村さんの考え方の中には、MECEに感じられない部分も多い。

ただ、厳密なMECEをするような考え方が、現実の課題の解決に役立つのかという、残念ながらそうではない。物事を厳密に考えようとすればするほど、物事の網の目の中に取り込まれて出てこれない。とはいえ、何も整理をしないで物事を漠然と見るだけでは、問題を解決することが出来ない。

つまり、直感的に利用することができる枠組み(フレームワーク)が人生には必要になる。自分の人生の段階から、人生の4つの言葉のうち何を果たすべきなのか、きっと多くの人が選択することができるはずだ。例えば、チームのリーダーになった人は、「人を生かす」ことがきっと重要に思うだろう。

野村ノートの中には、そういった野村さんの人生に役立つフレームワークに溢れている。

野村ノート (小学館文庫)   野村 克也