2013年4月9日火曜日

『恋を語る詩人になれなくて』を聴いて欲しい

こんにちは、こんばんはKoR89こと畠山薫です。
「急に君に『恋を語る詩人になれなくて』のブログを書きたくなったんです。
読んで貰えますか?」

『恋を語る詩人になれなくて』



『恋を語る詩人になれなくて』とは

『恋を語る詩人になれなくて』は、SKE48 teamS 3rd 『制服の芽』公演の第一曲目です(Overtuneを除いて)。個人的にはSKEの中でも三指に入る曲です。

「急にこの曲について書きたくなった」のは、アイドルの曲ってそんなに良くないよねと言う方にこの曲を薦めたいのと、この曲を聞くたびにその歌詞の意味に思いを巡らせてしまう自分がおり、先ほどのランニング中にまとめたくなりました。

SKEの中でも基本的には良曲として知られるこの曲は、SKEとも縁の深い鉄平が自身のラジオ番組の中で局の慣例(アイドルの曲を流さない)を破って電波に載せたことで、最近また注目されました。

【速報】SKE48 ZIP-FM初ON AIR曲は恋を語る詩人になれなくて!!:SKE48まとめエンクラ

曲名の鮮烈さ

『恋を語る詩人になれなくて』という曲名はなんとなくネガティブな印象しかありません。まず、否定形の曲名というのは基本的には避けられると思います。例えば、「僕は明治大学生である」と「僕は東大生ではない」は言わんとしていること一緒ですが、厳密の意味は違います。

何かをビシっと伝えるには、「~である」と言い切ったほうが良いのです。

しかも、否定する言葉の合わせが悪いです。「恋を語る詩人」は全体的にポジティブな印象しか受けません。それを否定するということは、恋を語れないのか、それとも違うものを語るのか、受け取り手にモヤモヤした感覚を与えると思います。

しかしながら、それが逆に鮮烈であるとも言えるでしょう。

当然ながらこの曲も秋元康作詞でありますが、秋元康は否定形の曲名を作る天才と言えるでしょう。他にも48グループだったら、『アイドルなんて呼ばないで』も印象的です。


彼のデビュー曲の『言葉にしたくない天気』は否定形の曲名であり、池田聡に提供した『思い出さない夜はない』は、言わんとしていることは「毎日思い出している」ということです。でももちろん『思い出さない夜はない』の方が苦しんでいるニュアンスが伝わってきます。「本当は忘れたいのに、どうしても忘れられない」、そんな感覚がまじまじと伝わってくるのです。

『アイドルなんて呼ばないで』も、歌ってる本人はアイドルである、もしくはアイドルと呼ばれているという類推することが出来ます。実際に歌っているのは前田(敦)・峯岸・小野・河西であり、彼女たちはまさしく”アイドル”そのものであると言えるでしょう。

この曲名も「恋を語る詩人になりたくてもなれない」、恋をしている気持が今にも口から出てしまいそうな、そんなモヤモヤ、ウキウキした印象を受けるのです。

歌詞の良さ

これまで曲名からのみ受ける印象について述べて来ましたが、本格的に歌詞についても触れていきたいです。歌詞については、全部引用するとなんか摘発されてしまいそうなのでw URLを引用したいと思います。

さて歌詞をよく読むと、恋を語る詩人になれないのは当然です。なぜなら、君をみているのは「野に咲く花」なのです。おそらく次のような場面なのではないのでしょうか?
女の子が校庭の樫の木の下でボートッしているのを、野に咲く花が見ている。 
「君は何を考えているのだろうか。ボクは何も出来ないから、ボクを照らす太陽のように見守ろう。」 
女の子が、樫の木の下から走りだした。 
「何かを探すために、走りだしたのだね。それが青春か。」
ぶっちゃけると、これ以上の情報はありません。ここにときめきや切なさ、愛しさといった心情をのっけると、『恋を語る詩人になれなくて』になります。でも、聴いているだけではそのことには気が付きません。なんとなく、そういった感情そのものが「野に咲く花」のように健気であるかのように思えます。

まぁ更に、これをアイドルが歌い、ファンが聴いているということを考えると、どのように感じるかは言わずもがなではないのでしょうか?

個人的には、「ときめきはときめきのまま、」の部分が一番好きです。

曲調の良さについて

48グループ全体を通してギターのサウンドがすごく良いです。適度鳴いてるし、すごくポップで、メロディアスです。J-popのギターのいいとこ取りです。

特に音作りが好きです。ギターの音作りは、ギタリストの才能の半分を占めていると個人的には思っているので、歪ませすぎず、歌があるところではきちんと聞こえる(だろう)音作りがすごくいいです。強く歪ませていないから、ちゃんとピッキングによる音のメリハリがつくようになっているため、特にソロのギターが歌っています。

まず前奏は「恋をかたる〜詩人になれなくて〜」のメロディ部分を展開しています。歌のメロディをギターで展開すると、冗長になるような部分が多々見られるのですが、前奏の後半部分は非常にギター的です。

また間奏は、メロディアスというよりも一部速弾き(正確には違うけど)部分や、ピッキングハーモニクスやチョーキングのようなギターらしいフレーズが前面に押し出されています。加えて、ギター特有の停滞感を作りながらも最後はうまく盛り上がるように、特にダンスが盛り上がるように構成されているでしょう。そして、そのギターのソロに合うようにSKEのダンスも構成されています。

SKE48のダンスについて

SKEは、48グループの中でもダンスに特に力を入れているグループとして知られていますが、元気いっぱいで、大きな動きが多く、個人的な表現力よりも振りが揃っていることを重視しています。その中でも『恋を語る詩人になれなくて』は随所に工夫が見られます。

曲が始まるとみんなが振り返りますが特に松井珠理奈が印象的で、その笑顔を見るとSKEのセンターであることを再認識します。そして、前進しジャンプします。ジャンプのような振りそのものや、その高さがAKBにはないSKEの特徴です。

私が特に好きな振りは、「(詩人に)なれなくて、言葉を語るより」のサビの途中部分です。見る際には、是非遠くから見ていただきたいのですが、その場で回転する振りで、一列目と二列目が別々の動きをしています。まず「なれなくて」では、左右の回り方が違い、同時にしゃがむタイミングが交互になっているので、ひと目ではその動きの全体像を把握することはできません。その後の「言葉を語るより」も同様に、しゃがむタイミングが前後で違います。

このタイミングが綺麗に揃っているので、一見複雑で不規則に見えるダンスにも何かしらの規則性があることを直感することができます。

終わりに

ボクは特にダンスに詳しいわけではありませんが、それでもSKEのダンスからは躍動感のようなものを感じざる得ません。その躍動感をもっとも感じるが、SKE48 チームS『恋を語る詩人になれなくて』なのです。

近頃最も平均的にCDが売れているジャンルがアイドルだと思います。そのため錚々たる面々が48グループに限らずアイドルに楽曲提供をしています。更にちょっと冒険的な試みをしたからと言って、曲を買わないといったことも少なく、作曲家としては少し歌が下手な女の子が数人歌うという制限だけで様々な挑戦ができるのも多くのメリットが有るのではないのでしょうか。

まぁ48グループの公演曲の中にはすごく良い曲、例えば「てもでもの涙」「逆上がり」「白いシャツ」「愛の数」「長い光」等々あるので、出来れば聞いていただけると嬉しいです。
白いシャツ
逆上がり
愛の数
長い光

0 件のコメント:

コメントを投稿