2013年5月4日土曜日

雑記4 ~日本人と中国人~

マーケティングの課題にひとまずの区切りをつけた午前2時43分に、
こんにちは、こんばんは、KoR89こと畠山薫です。
マーケティングのグループで一緒になった中国人のCさんとの帰り際の会話を紹介します。

雑記4
~日本人と中国人~

自衛艦へのレーダー照射

話題になった事件とは、海上自衛隊の護衛艦に中国海軍のフリゲート艦が射撃管制用のレーダーを照射したというものです。射撃管制用のレーダーを照射したというのは、つまりミサイルに感知されピピピッと鳴っている状態であり、相手に攻撃の意志があることを表しています。父が言うには、これが実行されたということは、ほとんど開戦の意味があるそうです。

中国の国防、外務両省は公式見解として、使用したのは「(照射レーダーではなく)監視レーダー」で、日本側の説明は「捏造(ねつぞう)」としている。だが、米国なども事実関係を認める中、これ以上の隠蔽(いんぺい)はできないと判断。内部説明に、勝手な「国際法」をでっち上げたものとみられる。 
自衛艦へのレーダー照射「日本が国際法に抵触」 中国海軍が内部説明で捏造 http://sankei.jp.msn.com/world/news/130425/chn13042513200007-n1.htm
 その後、日本の主張(射撃管制用レーダーを中国が照射した)を否定する声明が中国側から発表されましたが、日本はこれに対して十分な情報を提示出来なかったように思います。

この事件を面白いと思った日本人のボク

この事件で日本があまり積極的な情報を開示できなかったのを見て、ボクは改めて「中国人ってすごいな」と思いました。なぜならこのウソは、突き通せるウソだからです。

日本はここ70年ほど戦争の当事者になったことのない幸せな国ですが、完全に平和な国とは言えません。国家として当然のごとく、領土問題を抱えています。ロシアと北方領土、中国と尖閣諸島、韓国と竹島の領有権を互いに主張しあっています。いつ戦争になってもおかしくありません。さらに日本に良い印象をあまり持っていないだろう北朝鮮などを加えると、常に5カ国のプレイヤーが存在することになります。

その戦いの中心は日本海や東シナ海であります。そこでの軍事行動(つまり、日本側から言えば自衛行動)は、実はそれぞれの国家を守るための最高機密であると言えるでしょう。だから、例えば中国の主張がウソだとしても、それをウソだと証明するための情報は日本の最高軍事機密なのです。

例えば何回レーダーを照射されたのか、何秒照射されたのかを公表するとします。様々な要因が複雑に絡み合った中で、実は3回レーダーを照射したはずなのに1回しか感知できていなかったら、レーダーを感知するまでに3秒のラグがあったら、これらは戦争の勝敗を左右する決定的な情報になりかねません。

頻繁に戦争をしている国なら、機械の性能に自信を持てたかもしれませんが、戦争を近年体験していない日本ではそこまで思い切った行動をとることが出来なかったのでしょう。仮想敵国が中国だけならまだ良いですが、他に四カ国もいる状況ではなかなか難しいと思います。

そういう中国人の意図としたたかさに改めて舌を巻き、「ウソをつくタイミング」について教えてもらった気がしました。

この事件を面白いと思った中国人のCさん

Cさんにこの話をすると、彼女は日本人と中国人の違いについて語ってくれました。

この事件が中国のSNSで話題になった時に、ある中国ユーザーが中国のことわざで「妊娠しなかったからいいじゃないか」という意味の言葉を発し、それに対して朝日新聞の記者が「まだ妊娠してないだけかもしれない」と返したそうです。この記者の発言に対して、中国人は皆失笑してしまったようです。

中国のことわざでの妊娠は、つまり戦争にならなかったら良かったじゃないかという意味らしく、結果についてウジウジと「戦争になるかもしれないじゃないか」と言い続ける朝日の記者は滑稽に見えたようです。

彼女が言うには、やはり中国人にとっては「結果」が非常に重要で、結果の「原因」が問題になることがあっても、原因を行おうとした「意図」そのものにはほとんど関心が払われないそうです。

一方で日本人は行動の意図を非常に重視します。例えばそれは内心とか本心などの言葉と同義です。「本心では違うと思っていたのに、あの会議では賛成せざるおえなかった」などはよく出てくる言葉で、日本人の行動と意図が別々に存在することを意味します。

時には行動を伴わない意図などが重視されたりしますが、中国人は行動と意図が常にセットであり、それがどう結果に繋がったのかが注目されます。それは中国人にとって意図がないわけではなく、行動に出ない意図に価値を置かないという意味だと思います。

この本心や内心という言葉で意図を表現する日本人の精神構造をCさんは、おもしろいと表現しました。やはり彼女も、中国人と日本人が違うという原因(精神構造)を思いを巡らせたのでした。

ボクはやっぱり日本人だった

振り返ると、ボクが中国人に感心したのは行動の「意図」の部分でした。「ウソをついても絶対に日本は情報を開示できないから、ウソを突き通せる」という意図そのものに感心し、それを実行した点についてはほとんど評価していませんでした。

実は、日本人の人間関係を非常に難しくしている点は、この内心や本心だと個人的には感じています。日本人の行動には偽があり、それを見極める必要が常にあるということは、非常に高度な観察能力だけではなく、精神的な緊張を強いることになると思います。

そればかりではなく自己認識でも活動と精神が一致しないことを許すことになり、「本当の自分はこれではない」といった一種の倒錯した勘定を持つことになる可能性があるのではないかと思います。ボク個人としては、自分の行動はすべて自分の感情そのものであり、そこに偽はないと考えるようにしています。そちらの方が精神衛生上、健全だと思うからです。

0 件のコメント:

コメントを投稿